金利見通しとハイテクセクターでセンチメントが悲観的からポジティブに変化

先週、市場はFRBによる12月利下げの可能性とハイテク・セクターの収益見通しの両方に関してUターンしました。先週後半からウィリアムズ、ウォーラー、ミレンの3人のFRB理事がハト派的な発言をしたことと、米国の小売売上高とPPIが低調だったことが相まって、来月の利下げの可能性は40%近くから80%以上にまで低下しました。

一方、GoogleAIモデル「ジェミニ3」やメタの投資計画に関する宣伝は、ハイテクセクターのセンチメントを反転させる要因となっています。親会社のアルファベットを上昇させた)Google めぐるニュースは、11月の大半にわたって世界の株価指数を悩ませていたAIの収益性への懸念を抑えるのに役立っています。
つまり、金利とハイテク・セクターの見通しについて、市場のムードは悲観的なものから肯定的なものへと変化したということです。しかし、今月見られたように、センチメントは瞬間的に大きく変化する可能性があります。特に12月9-10日のFOMCを控えて。
FXでは、米国のマクロデータ(小売売上高とコアPPI)が軟調に推移し、12月の利下げ観測が高まったことで、ドルのパフォーマンスが鈍化。ドルインデックス(DXY)は、USDJPY レートが直近の高値から引き下げたこともあり、100レベルを割り込みました。USDJPY 相場は、157ハンドルから156ハンドルにシフトダウンしており、トレーダーは、さらなる円安が円安定のための日本当局の介入を呼び込むかどうかを注視しています。
FRBによる12月の利下げ期待の高まりとドル相場の下落が相まって、金価格は少し暮らしやすくなりました。貴金属は、利回り見通しの進展を受けて、再び確かな足取りを見せ始めています。スポット金は現在、4116ドル、4087ドル、4042ドルのサポートを前に、4132ドル付近(水曜午前のアジア取引時間)で取引されています。抵抗は4165ドル、4290ドル、そしてさらに先の4237ドルにあります。要約すると、金利情勢の変化は金にとって好都合に見えますが、リスク選好の高まりとロシアとウクライナの和平合意の可能性により、安全資産としての需要が減少する可能性があります。

原油もまた、ロシアとウクライナの和平交渉の行方を注視している商品のひとつ。FRBによる12月の利下げ観測が原油の下支えとなっているものの、ロシア産原油が再び世界市場に参入するとの見方が上値を抑えています。米国産原油のサポートは57.10ドル、レジスタンスは58.93ドル。しかし、短期的な原油価格の行方は、ロシアとウクライナの和平交渉がまとまるかどうかにかかっています。協議が決着しないまま決裂した場合、原油価格は上昇することが予想されます。
今後の見通しとしては、木曜日が米国の感謝祭の祝日となるため、週後半は市場の流動性が低下すると思われます。流動性の低下は、時として市場のボラティリティを悪化させる可能性があります。データ面では、金曜日に発表される東京都のコアCPIが、予想されている2.7%より高い数値となった場合、来月の日銀の利上げ観測に影響を与える可能性があります。








